この年はピースフルなカワサキのパレードに参加して、喧騒の渋谷に遊びにいった。
2年連続で仮装コンテストの頂点を極めた疲労と燃え尽き症候群で、この年からは単身で制作をし、賞レースは二の次で、「楽しむこと」「楽しませること」を最優先に完全シフトチェンジした。
ハロウィンシーズンにどなたかのお役になればと、制作プロセスをシェアします。
仮装を止めるな!
完成形!
バーニングマンでトライアル!
目次
1.経緯
2.制作 頭頂部、顔面、胴体
3.予算
4.当日の模様
5.メディア掲載
6.転用例
☆経緯
当初はノーイメージ、8月に参加するバーニングマンでも兼用できるようなものを作ろうと考えていた。
アイデア構想中、群馬の水澤観音釈迦堂に寄った際に拝観したある観音様を見てコレだ!とインスピレーションが沸いた。
頭の上に小さな自分の顔があると面白いと思い、粘土で制作することに至った。
これが思ったよりも出来がよかった(自画自賛)
途中から、遠目だと映えないなと思い、自分の顔を後頭部にも付けようという次のネタを発想した。
1個試しに作り、次に本番用を作ったが、どちらも出来がよく(自画自賛)、両方を使うことにした。
まだそれでも思ったより材料が余り、型もしばらく持ちそうなので、いっぱい作っておいた。
同時に、顔面だけでも遠目では映えないと感じ、自分の体も顔にしようという発想に繋がった。
量産した顔は、とりあえず不気味そうだから背中にでも貼っておくか、と至った。
このように、実は場渡りで完成した。
☆制作 頭頂部
インスピ元の群馬で見た観音のイメージ画(撮影不可だったので)
トリビア:ガンダムとザクの仏像がある。
まずは自分の頭部の採寸。
H・W・L、目の幅、鉢周り、鼻の高さ、など。
これらをゲンコツ大にスケールダウンした顔を制作する。
材料は、インダストリアルクレイなるものを使用。追って、顔面の複製の材料も調達。
材料と重量の軽減のため、内部にはガチャガチャカプセルを。
感覚でこねて、作り上げていく。インダストリアルクレイはかなり硬くて、暖かくないと絶対にこねられない。
当初はこねるたびに湯煎したりコタツに入れたりして柔らかくしていた。
概ねのフォルムはこれで良いか。
これから色塗りをしていく。
自分の肌に色を作りながら、自分の肌の色に近づけていく。
完成、ちょっとMrスポックに寄ったか。
まぁ、初めてこの手を作ってみた割には、上出来としよう。
登頂にセット。パイルダーオン!
シュール。
☆制作 顔面
頭頂にもう1個の小さい顔があるだけだと、遠目では気付かれにくいことに気付き、自分の顔を後頭部にも付けてみようというアイデアが生まれた。
※この段階の制作風景の前半は、面白すぎて別ページをたてたのでご参照を↓↓
では後半を。
汗と涙で作ったデスマスクを使って特殊メイク作り。
ラテックスを何重にも塗っていく。
こんな感じで出来上がった。
石膏に取られたまつ毛がこっちに移ってきた…(先ほどの別ページを見ないと分からないネタ)
そして、顔と呼ぶには少し小さいことが判明した。
顔の淵の面積を広げる加修を行なう。
今さら石膏はありえないし、ちょうど良い型もなく、トイレットペーパーで即席の張り子を作る。
乾いたトイレットペーパーを土台に、表の面にラテックスを何度も上塗りして、継ぎはぎが出来た。
ラテックスが固まったら、水洗いで紙を取り除く。
うーん、やっぱまつ毛がキモい。
色を塗る。
キモい。
髪を被せてみる。
生首、恐っ!
二面にして被ってみる。
当初は前後の2面の設定で考えたが、お試しで作ってみた方も使えそうだったので、3面に変更。
寄せたつもりはないがキン肉マンのアシュラマンみたいになった。
最終的な塗装をして、お風呂で乾かす。猟奇的。
☆制作 胴体
相当インパクトがあると思えたけれど、これでも遠目では弱い気がしたので、自分の体も顔にしてしまおうというアイデアに。
目、鼻、口をどう作ろうか迷ったが、耐久と節約でパーツ写真を採用。
髪型はカツラと同じ長髪に。見栄えは微妙だったが、耐久と節約で日除けシートを採用。
顔のパーツをハンダごてで改造したヒートカッターで切断。
配置は頭頂部で測定した寸法をラージスケールにして。取付は手縫い。
もったいないと思って材料の限り量産したが、全部の塗装があるのを忘れていて、やや後悔。
装着バランスや被写体構図を決めておく。
寄せたつもりはないが、ガイキングみたいになった。
そしてデビルマンのジンメンみたいになった。
リアリティとギミックのため、背中の顔に目玉をもうけて光らせることに。
透明粘土、ハンダごて、LED。
せっかくなのでみんな違う表情にしてみた。
作っている最中、自分がサイコパスなのではと自問自答していた。
素足はつまらないのでキモチ悪く剛毛に設定。根気よくストッキングに毛を書いていく。
本番では素足に毛をまぶしながらストッキングを履いていく。
裸足に見えるようにサンダルの底部のみ使って、肌色に塗ったゴムひもで脱げないように締める、
移動のためにハンディ性も考えておく。
☆予讃
総計:12400円
購入品
ラテックスゴム デスマスク用 3000円
アクリル絵の具 黄・黄土・赤、白、青、黒 顔面用 1000円
透明粘土 目玉用 500円
カツラ 1500円
生地 肌色 胴体顔面用 1000円
カラーコピー、パウチ 胴体顔面用 300円
工業用粘土 頭頂部 1000円
ニス 頭頂部 1000円
竹ひご 胴体顔面張り子用 100円x3→破損未使用
スポンジ浮き輪 胴体顔面張り子用 1000円
黒タオル 頭頂部→使用を見送り 300円
黒リボン 頭頂部→使用を見送り 300円
玩具 猫の尻尾 頭頂部 100円
100均
LED 目玉用x5個
日除けシート 背部髪の毛用x2枚
タコ糸 パウチ等
サンダル 裸足用
ゴムひも 裸足用
ゴムひも 胴体顔面の巾着用
在庫使用
白ブーツ (普段使い3000円)
在庫 使用工具
ハサミ
カッター
ニッパー
半田ゴテ デスマスク整形
セロテープ
針、縫い糸
ヘラ、彫刻刀
☆当日の模様
1日目は、暴徒とレッテルを貼られた渋谷の様子をうかがう。
所感としては、それほどでもない。しかもトラック転倒事件も、実際には運転手が自ら楽しみに集まって、若者に呼び掛けて荷台をお立ち台にさせてくれていたといった、ちょっと度が過ぎたお祭りムードといった印象。ただし確かに強引な挨拶やゴミの多さは目立った。
2日目は、あまりにも平和で互恵な川崎の様子。ニュースでは各地は川崎を見習えと紹介されていたが、まったく同意。そしてこの年は、初めて全交通を止めて道路全てをパレードに使った。その光景に圧倒されて、地元の晴れ姿と親交深い裏方たちの努力と果たせなかったベルリンのラブパレードを想い、胸に込み上げるものがあった。
☆メディア掲載
渋谷ではテレビ朝日様の生放送ニュースでTV向けのパフォーマンスをし、川崎ではAFP BB様、TVKニュース様、TVK LOVEカワサキ様、Japan Times様、Yahooニュース様、スクリーンONLINE様などの多くに掲載され、特に時事通信社様では、様々なニュースに並んだ中のカワハロのサムネイルアイコンの役目を任されるという栄誉。
知人たちがネットニュースを見て爆笑してくれていたらしく恍惚感。
生放送と聞いて、ちょっとイタズラを仕掛けた。
ネタのような2ショットも(笑)
直前には後付けながらコンセプトを確定した。
作品名「クローンのバグ」
説明「自分のクローンを作ろうと思ったら、顔ばっかりのカラダになっちゃった。」
補足「ある目論見で自分自身を何人にも増殖するつもりが、不測のエラーにより自分の体に自分の顔がいくつも付いた体となってしまった不幸。技術革新により、難題でも簡単に具現化していける時代の到来が迫っているが、同時に取り返しがつかなくなる状態も簡単に作り出せてしまう時代への警笛という問題提議も込められている。かつ、自分自身が題材という、かつてない仮装に挑戦した。」
☆転用例
バーニングマンの全身アートを兼ねて耐久や反応のトライアル使用
(Face to Face というコンセプトでフェイスペイントをギフティング)
バーニングマンのRAVEキャンプ招聘イベントで仮装参加
バーニングマンに出展する日本初アートRAVEカーASURAの表明パーティで仮装+DJ参加
(今後の名称をゆるキャラのアシュラくんに変更する出世魚スタイル)
SNSタグ付けやSNOWアプリでの自動認証ネタ
娘のおふざけのネタ
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