ハロウィン日本一2016年版 初出場で初優勝の軌跡

この年は、ageHaハロウィンに初出場して初優勝。

しかもチームメンバーが準優勝までゲットしたという、これ以上ない1・2フィニッシュに。

賞金は、60万円!

ついでに他2つの大会では、たくさんのメディアに掲載いただいて、

「どのチャンネルをひねっても映っている~」という面白い現象に恵まれた。

腕も結果も観客人気も抜群の、まさにスーパーチームだった。

ハロウィンシーズンでどなたかのお役になればと思い、このたび制作プロセスをまとめた。

☆参加した経緯

米国ネバダ州の砂漠で、年にたった1週間だけ世界中の一線を超えた人たち7万人が集まって、音とアートと火炎と砂嵐まみれの街ができる『バーニングマン』というカルチャー(一般の人向けにはフェスと説明するが、実際には崇高なライフスタイル)が存在する。

そこへ2016年に初参加した際に、ある日本人女性と出会った。

彼女はハロウィン仮装コンテスト優勝経験があり、それを機にアート造型を追求している社会人学生で、バーニングマンでも色々とトライをしていた。しかし全方位の人間関係のこじれで、四面楚歌に陥っており、しかし外野の私は不憫に感じても、一生懸命に話を聞いてあげるしかできなかった。

それが嬉しかったのか、何の脈絡もなく「ハロウィン一緒に出てください」とその場で嘆願されて、くしくも元々カワサキハロウィンが私の地元イベントでも大好きで育ってきて、しかし見学専門だったので出場までは気が進まなかったのだが、これも乗り掛かった舟で縁だろうと思い直し、「器」になることを決意。(後日に日本コミュニティのミートアップの発表会にて名指しでこれら一連の謝意を賜ることになったのだが、とても有り難かった)

聞くところ「恐怖の歯医者さんをやりたいのです、歯ブラシになってください」と、やりたいことも既に決まっていた。それから「華」としての歯科衛生士役の2名の女子、仮装で戦ったことがあるというGoGoダンサーの子と、元有名特撮映画会社特殊メイク技師の子もメンバーに加入した。

誰か大きなクマさん姿が似合う知り合いを誘ってくれないか?と頼まれたので、彼女ともあるクラブイベントですれ違っていた地元の親友を勧誘して、5人が揃った。

当初は何人になろうが、どんなものを作ろうが、我々は体を貸すだけと気楽なものだったが、そうは言っても少しは制作リーダである彼女を手伝ってあげねばと支援をしているうちに、本気度が高い彼女の要求の強まりと、楽しむ優先の我々とのギャップが如実に問題化していった。

最期まで怒鳴り合いや脱退騒ぎの衝突が絶えなかったが、優勝という最高の結果を残せて、多幸感でフィナーレを迎えられた。

この時点では全員がもう懲り懲りと口を揃えていながらも、しばらくすると「来年は何をやろうか?」とすぐに1年後の作戦会議が開かれたのも若気の至りであろう。


☆制作進行と企画のマネジメント支援

制作リーダが苦手そうに思えた「考えていること」の見える化を買って出た。

初回キックオフは、私の会社の応接室にて行なわれた。

予算感、工程、役割、出場コンテストの考えを引き出して整理した。

欽ちゃんの仮装大賞にも出場することが決まり、構想を絵コンテ化し、音源を作り、練習をして、と余計に忙しくなってしまった。

制作物がきちんと運べるか?という確認で、マイカーの間口と室内の寸法の共有も重要なこと。

各々の体の寸法に合わせた材料の切り出しなども、最初にしておくべきこと。

☆制作

大物部品の制作は制作リーダーのお宅で行ない、小物は各自で準備した。

動きの練習は東工大や公園で行なった。

序盤は持ち寄りの飲食物でワイワイ楽しんだが、制作リーダーのマウンティングが強烈で、だんだんと空気が悪くなっていったのはここだけの話(笑)

ちなみに大物の制作のコツは、ネットや趣味本に散らばっている小物や手芸や服飾などの制作図解を、ラージスケールに拡大すること。

オリジナリティが維持できれば、普通の買い物でも構わない。外野には見分けがつかないからだ。

今回は、カツラや全身タイツ、歯科衛生士の衣装は既製品。

もちろん、無いものは外注か自作。

今回は私の提案で、仕事で使用していた「発泡ウレタン」を多用し、扱いに支障ある発泡スチロールは使わないことにした。

その他には、強くて軽いプラ段やライオンボードや生地縫製を主に使用した。

ゼロから新規制作する必要はなく、オリジナリティあるものが出来上がる。

商品開発では、オズボーンの法則やTRIZでも常用されている手法である。

歯:全体は入れ歯の玩具を見本にプラダン基礎のライオンボード、歯は発泡ウレタンをエナメルで包み込む作り

歯ブラシ:後付けだが「手動の電動歯ブラシ」というコンセプトはウケた。だが細かい上下運動で疲労は大きかった。ボディはライオンボードとプラダン、全身タイツは市販品、靴は足袋に緑スプレー、ブラシは100均ストロー(稼働は私のローラーベアリング案ではなくコスパがよい制作リーダの輪ゴム案が採用され、硬化や劣化が懸念だったが結果的に耐久がもったので正解)

クマ歯科医:頭部はクラフトのラージスケール化の用紙の切り貼りのモックからプラダンの基礎と生地の縫製、体は既製の白衣に生地の縫製

歯科衛生士:コンセプトを天使と悪魔とし、2名それぞれ好きな衣装の調達と自作

☆欽ちゃんの仮装大賞に出場

一言でまとめると、theグダグダ。思い出作りで終わってしまった。

全く制作が間に合っておらず、責任の押し付け合いをしながら現場入り。

せめて練習だけでもと思っていたが、急遽「舌」役の子が来られなくなり、配役替え。

パンチのないネタに、準備不足の身で、「もっと痩せておけ」「急に痩せられるか」といった不毛なケンカをする即席ペアと、左右の唇の動き役の息がまったく合わずに苛立つ即席ペアとで演技をし、審査員から「大道具 大賞だったら合格していた」とフォローされながら落選。

帰り道に制作リーダが、「大道具 大賞だったら合格していたのになぁ!」というリップサービスに喜んでいて、ひっくり返りそうになった。

☆練習

公園や当時研究生メンバーのよしみでオープンキャンパスの東工大にて。

ちょうど教授がノーベル賞授与で湧いていた時期だった。

学食をワイワイ楽しんだり近所で飲ミニケーションしたり楽しく努めた。

我々チームは、旧知の仲もしくは知り合いの知り合いなどで集った即席メンバーながら、それぞれのポテンシャルはとても素人レベルではないのが救いだった。

☆本番時の出来事

土日をオールナイトで3大会を渡り歩いた。

行程、賞品など細部は、上記2リンクより当時のFacebookを参照されたい。

渋谷 オトナハロウィン

想定はしていたが、コンテストのコンセプトに合わず、そして下記にあるとおりで、敗退。

しかし、多くのメディアに露出させてもらえて有り難かった。

反省点は、画像をご覧の通りだが歯ブラシが白い…そう、塗られておらず、他にも未完成部位が多数あるままで現地入りとなり、現地で制作をしなければいけなかったこと。

進行の妨げになる我々に対するスタッフの冷たい視線に心でお詫びをしながら、制作リーダの段取り不足に勘弁してくれよ!と訴えながら、無口でみんなして作業を進めていた。

しかし出来栄えは、明らか、か。

司会のますだおかだ氏や、共演のDJと仲良くさせてもらえた。

ageHaハロウィン

優勝!

審査いただいた、きゃりー、中田ヤスタカ、ざわちん、ひとりでできるもん、ぺえ、DJ KAORI、エクスプロージョン、そして恵比寿マスカッツの皆さまに感謝。

なお、この年に空前のバブルを起こした時の人、ピコ太郎さんの隣にいたり、袖からステージを見守っていたりできたのは、プライオリティ高すぎる副賞となった。

ちなみに急遽チームの音楽担当も、在庫のマグロ仮装で出場することになった。

しかしネタになるような音楽が「カツオ」しか見つからず、急遽「カツオ男」として出場。

強引すぎる…。なのに準優勝。

爆笑したが、魚っぽい動きを表現するダンスや、そのキャラの朴訥さが、うまい具合にマッチし、高評価されたのだろうと分析した。

よって、50万円+10万円の賞金を得た。

残念だったのは、制作リーダーがメンバーを出し抜いてチーム名を…

「アニーと恐怖の歯医者さん」と登録してしまったことで、余計な揉め事が生じたこと。

他にも、厳守時間や動線や音源紛失問題などで、当日のバタバタが発生。

細かいことでも事前に共有しておくことを推奨する。


☆賞金配分

総額60万円。

仕入れ原価+運送費+交通宿泊費+参加費+サポーター寸志+打ち上げ費=約40~50万円

売上損益 +10~20万円  これを5人で分担した。


翌朝までの休息に、メンバー親戚のお家をお借りして雑魚寝で仮眠。(私は申し訳ないが地元なので帰宅)


カワサキハロウィン

パレードを練り歩く。歯は重装備でバンザイの苦しい姿勢、クマさんは前が全く見えない状態、しかし歯ブラシは小気味よく闊歩し(足腰が腱鞘炎ぽくなったが)、歯科衛生士ギャルズはキャピキャピと沿道にファンサービスと、大きな差があったようでシミュレーション不足だったかもしれない。

サポーターズには色々とお世話をしてもらいっぱなしで、感謝感謝。次年には大半がチームメンバーとして活躍することになった。

反省点は、無意味に細かい部分への口出しで討論が絶えなかった割には、悠長な受付集合や優雅なランチタイムによって失格寸前や後列行きとなってしまった時間管理不足が発生したこと。さらにその糾弾で、この期に及んでパレード参加ドタキャン騒動の収拾に追われたこと。

余計な気疲れでクラクラしてしまったが、

みんなで楽しもう♪と気分を一転させ、終わった後には心情的に大成功となったのが救い。

表彰式のあとは全てから解放されてファイナルパーティで身軽に地元遊びがてら。

いっぱい話しかけられ上機嫌。フロアでワインをラッパ呑みする歯ブラシ。

某有名ゲストDJから「ブースから見ていました。盛り上げ役を有り難うございました」と後日お礼をいただいたほどで、何とも嬉しかった。


☆怒涛のメディア掲載

英BBC、ZERO、アッコにおまかせ、スッキリ、ビビット、Mrサンデー…

神奈川新聞やTVKなど、多くに掲載された。


祭りのあとはなんか恐い…、自宅に持ち帰って置き場所がなく廊下を塞ぐ歯ブラシの不気味。



☆後日談

有り難いことに、制作物は色々なイベントごとで転用のご縁の発生。

ageHaイベントREBEL BINGOにてダンスパフォーマンス出演

私の会社での忘年会クルーズ旅行にゆるキャラ参加

絶対達成者長の会の達成披露宴で前代未聞のコスプレ登壇

明和電機様の忘年会イベントのステージ出演

そして、友人でもある三重県の本物の歯科医の院長に下取りしてもらい、医院イベントのキャラクター利用のみならず、翌年の地元のハロウィン仮装大会で優勝してしまうといった大活躍ぶりで、最も最高な形でバトンを引き渡せた(引き続きかわいがってあげてください♪)

川崎 アメーバオウンド 西村司ホームページ

このページはアメーバオウンドを用いた西村司の活動ログです。

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